今週は霧深い日が続いています。八島湿原が位置する霧ヶ峰はその名の通り、年間298日は霧が観測されるというデータもあるほど霧の多い場所です。諏訪湖から上昇気流に乗って霧が登ってくるのが見えることがあります。秋晴れの澄んだ色鮮やかな様子ももちろん格別ですが、湿原を霧が流れていく様子や霧に包まれた八島の景色もまた、心に語りかけるものがあります。秋も深まり咲いているお花は僅かになりましたが、お天気の時にはリンドウが綺麗に花開いています。また、樹々の紅葉も日ごとの変化が楽しめます。
今週は2日しかなかった、晴れた日の様子。湿原内はすっかり、温かみのある褐色の絨毯になりました。こちらが霧に包まれた様子。同じ湿原ですが、まったく別の顔ですよね。これもまた、静かに心落ち着く魅力があります。ぜひどちらも味わってみて頂きたいです。
ビジターセンターから見た鷲ヶ峰周辺の様子。先週との変化はいかがでしょうか。ほぼ同じ画角の写真を載せていますので、見比べてみると面白いかもしれません。
霧の中ならではの美しさ、霧の中だからこそ観察できる様子があります。アキカラマツの種子や、鮮やかに紅葉したアキノウナギツカミの花に水滴がついていました。小さな種子と花に光が集まって、きらきらと宝石のようです。
宝石といえばこちら、ノブドウの実も負けていません。ピンク、水色、紫、ブルー、不思議なくらいの彩です。
リンドウの美しい青紫も、秋の印象的な色彩のひとつですね。今年はリンドウも去年よりたくさん咲いた印象です。
鷲ヶ峰には、3年ぶりにリュウノウギクの群生を確認しました。八島周辺に咲く他のキク類とは葉の形が違っていて見分けやすいです。葉を優しくこすってみると、なんとも良い香りがします。
「紅葉」と聞くと、モミジをはじめとするカエデ類やサクラなどを思い浮かべますが、観察してみると実は思うよりずっとたくさんの植物(樹木だけでなく小さな植物など)も紅葉・黄葉していたんだなぁと驚きます。こちらは旅する蝶アサギマダラの幼虫が食べる植物、イケマです。イケマも黄葉するのですね。
色の少なくなってきた景色の中に残っていたアザミ。昆虫たちもシーズン最後の花で一生懸命吸蜜して、冬支度ですね。
アキアカネの赤は濃く鮮やかに。
なお、今年度の開館は11月3日が最終日となります(ビーナスラインと八島駐車場バイオトイレは11月19日で冬季閉鎖。八島駐車場および木道は通年で入ることができます)。
気候によっては温かい時間もありますが、朝夕の気温は5℃近くまで冷え込む日も出ていています。しっかりと防寒対策をしておいでください。
最高気温(前日) 14.6度 最低気温(前日)9.1度 地温 12.3度
湿度 % 風向 東 風速 1.3m/s