草紅葉もそろそろ終盤となってきました。湿原の表面も先週とは違ってきています。花はリンドウやノコンギクがわずかに残る程度ですが、ミズナラなどの葉が秋色となり季節の変化を楽しませてくれます。日によっては温かい時間もありますが、気温はかなり低くなっていますので、しっかりと防寒対策をしておいでください。
今週の湿原はこんな色です。
冷え込みも強くなってきたこの時期に、なんとマツムシソウの小さな花がまだ咲いていました。とまっているウラナミシジミの羽の色と花の薄紫が素敵でした!
ビジターセンターの目の前に見える鷲ヶ峰方面に登れば、斜面の紅葉と遠く北アルプスの新雪、そして澄んだ青空が目に飛び込んできます。ときどきノスリ(タカの一種)が悠々と空を旋回しています。
同じく鷲ヶ峰への登り道からの蓼科山です。尾根を登るごとに景色が変化します。
湿原周辺の木々も色づいています。
八島湿原は約1万2千年かけて泥炭層が盛り上がって形成された国内有数の貴重な高層湿原です。写真から盛り上がりが分かりますでしょうか。大地の歴史が感じられます。
メジロがいました。
足下を見るとアキカラマツの葉の黄色が綺麗でした。
落葉松林の向こうに朱に染まった木が見えました。
ミズナラの木は黄色に色づきます。
ユモトマユミの実が割れて種が出てきました。
モグラの仲間が残した痕跡のようです。
八島湿原の一角の旧御射山(もとみさやま)という場所には碑があります。遠くの山は美ヶ原です。
旧御射山には鎌倉武士が集まって行われた一大イベント「御射山祭」の遺跡があります。斜面を見ると段々になっています。当時造られた桟敷の跡です。10万人が集まったともいわれています。
古いお社(旧御射山神社)の脇からは水が湧き出て小さな流れとなっています。諏訪湖から天竜川となって太平洋まで流れていきます。
お社の脇で遠い昔から霧ヶ峰や八島湿原を見守ってきたアオナシの老木があります。こちらでは「やまなしじいさん」と親しまれています。おじいさんも少し染まってきました。
11月5日が閉館日です。美しい秋といにしえの歴史を感じにぜひおいでください!
最高気温 15・8度 最低気温4.2度 地温 8・8度 湿度 93.4% 風向 西
風速 4.0m/s